英語学習の黄金律


 

「英語学習の黄金律(ゴールデンルール)」の必要性

 

英語学習をしていたら一度は次の言葉を耳にした事があるのではないでしょうか?

「継続は力だよ!」

 

私もよくこの言葉を聞きました。そして聞く度にこう思っていました。

「分かってるって!」

 

ですが、「継続は力だよ」という人は大勢いても、「どうやって?」の部分を教えてくれる人はいませんでした。

口で言うのは簡単です。「英語に毎日触れましょう!」「もっと会話の練習しましょう!」「コツコツと単語を覚えましょう」

しかし、何かの標語のように繰り返しても現実問題として「なかなか続かない」のです。

実は、日本での英語学習の一番高い壁は、この「続けるのが難しい」ということではないでしょうか?

ですから、毎年多くの方が続けなくてはいられない状況に自分をおくために留学してしまうのです。話さなければいけない状況になったらペラペラになるだろうと信じて・・・。(残念ながら留学したからといって話せるようにはなりません

英語講師をしているとき、非常に多くの「挫折していく生徒」に出会いました。英会話学校で1000人以上の生徒を教えてきましたが、実にその40%くらいが道半ばにして挫折していくのです(大金を払って通い始めたにもかかわらず、いつの間にか来なくなってしまう)。
 
これは、「能力」の問題ではありません。

 

つまり、英語力がなくて授業についてこれないために挫折していくというわけではなく、そのまま続けていけば十分に英語力が伸びるのに、いつの間にか学校に来なくなってしまうのです。

「挫折」にはさまざまな原因が考えられます。

まず、英語力の伸び方はダイエットと同じで、急激に伸びるというものではないことが上げられます。毎日の少しずつの積み重ねが揺るがない本物の英語力をつけるのですが、多くの方が先が見えずにあきらめてしまいます

これは山登りとも似ています。

私が初めて富士山に登ったときのことでした。翌朝の朝日を見るために夜の8時から登り始めたのですが、いくら歩を進めても休憩所の明かりが一向に近づいてこないため、休憩所の明かりを見上げる度に何度あきらめて引き返そうかと思ったものです。

富士山の高さに対する私の一歩一歩の歩みのように、英語力をつけるための毎日の努力の成果は非常に小さなものです。しかし、その今の一歩が自分を目標の英語力へと引き上げていくのに欠かせないものになっていきます。

今の一歩を見据えずに先の頂上ばかりを考えてしまうため、途中でこのような疑問が沸いてきます。

「果たしてこのままで上達するのだろうか?」
   
「私には英語の才能がないのではないだろうか?」
   
「がんばっているのになかなか自由に英語が聞けるようにならない!」
   
「この努力は無駄なのではないか?」

このようにして自分に対して自信を失くしてしまうのです。

しかし、考えても見てください。英語力を上げるのにそんなに特別な才能がいるのでしょうか

 

本当に選ばれた人しか英語は上達せず、ネイティブ並に英語を操る達人の域に行くのは、もともと「英語のセンス」があった人たちだけなのでしょうか?

いいえ、そんなことは絶対にありません

 

コツコツと続けていけば、学校時代に英語が苦手で足を引っ張っていた凡人の私でも、ある程度の英語力を身につけることができました。もちろん、貴方も確実に本物の英語力を身につけることができるでしょう。

しかし、そのためには、冒頭に出てきた「継続する」ということなしには無理です。どんな技術、能力も「継続」なしには身に付かないことは事実です。オリンピックのゴールドメダリスト、高橋尚子選手の生みの親である小出監督が、このようにインタビューに答えていました。

「高橋が僕のところに来た時は、10キロ(1万メートル)を34分もかかった。本当にあきらめようと思ったくらい、後半に弱かったんだ。あきらめも早くて、日本選手権の1万メートルに出せば、途中でやめちゃうし、本当にダメだと思った。いつも言うんだけど、1000本の糸があるとしたら、999本は切れていて、残りは1本しかなかったんだ。」

 

もし、監督が高橋選手に会った時点であきらめていたら、高橋選手が自分から「才能がない」とあきらめていたら、金メダルはなかったでしょう。しかし、999本切れていても1本残っていて、何とか「続けること」ができれば、どんなことでもできるのです。

ましてや、英語に関して言えば、999本切れている人などいません。

英語の達人になる素質を全員が持っているのに、挫折するのが多いのも英語学習の特徴です。挫折しては、海外旅行から帰ってくるたびに「今年は絶対やるぞ!」と思い直して、いつの間にかまたやらなくなってしまうのです。

では、どうすれば挫折せずに英語学習を「継続」することができ、本物の英語力が付けられるのでしょうか?

「挫折」をしないためには、「挫折」の反対語である「成功」するための原則を守ればよいのです。

 

理解できましたか?

 

大切なのでもう一度、

「挫折」をしないためには、「挫折」の反対語である「成功」するための原則を守ればよいのです。

幸いにも、ビジネスの世界においてはこの「成功法則」が研究され、すでに100年以上の歴史を持っています。それを応用すれば「挫折」は簡単に防げます。その「成功法則」を今まで積み重ねてきた私の経験と知識に当てはめ、私なりの「英語学習の黄金律(ゴールデンルール)」としてまとめました。

英語学習者に陥りやすい罠は、目指す山頂を認識し、地図で山頂までの道を確認し、きちんとした装備を身につけてから第一歩を踏み出す、という作業をせずに、とりあえず英語力をつけたいと闇雲に歩き始めてしまうことにあります。

それでは必ず途中で道に迷ってしまいます(地図なし、装備なし、体力なしではいくらなんでも無理ですよね))。ですから、まずは焦らず、全ての学習の根底にある「英語学習の黄金律(ゴールデンルール)」を私と一緒に学んでください。そして、「挫折するかもしれない度」を徹底的に下げる術を身につけましょう。

そして、その「挫折しないための成功法則」を使って、英語学習においても「成功」を収めてください。


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「決心」の重要性

 

英語学習を始めるにあたり、大切なことは何でしょう?

素晴らしい教材?
   
素晴らしい先生?
   
英語のセンス?

あなたは何が一番大切だと思いますか?

これが意外と忘れられているのですが、本物の英語力を習得するために必要なのは、良い教材、素晴らしい講師、英語のセンスでもなく、実は「決断」なのです。

 

 

英語力は、「自分で絶対に身につけてやるぞ!」と決断したときに、すでに身につくことが決まります。

その「決心」が中途半端だと、道半ばにして挫折してしまう可能性が高くなります。英語を学習している多くの学習者は、この「挫折」を経験していますが、挫折したときに、それを悔やむばかりでなぜ挫折してしまったのか分析しないことが多いです(まあ、挫折しているのですから、英語から離れようとはしても、自分の失敗を直視できないかもしれません)。

しかし、この憎っくき「挫折」という敵を倒すための一番の武器が「決断力」なのです。

では、「挫折」という目に見えない敵を倒す、「決断」の持つ素晴らしい力をご紹介しましょう。次の質問にまず答えてみてください。

Q:もしあなたが、テロリストからこのように宣告されたらどうしますか?

「おまえは俺たちの組織のターゲットで、1年以内に英語が話せるようにならなかったら100%殺す。しかし、もし英語が話せるようになれば殺すことはせず、身の安全は保証してやる。」

 

どうしますか?

何が何でも英語を話せるようにすることでしょう。

だって英語が話せるようにならなかったら殺されるわけですから。

現実にはありえないこの質問で何が言いたいかというと、「すべての人の中に、英語力を上げることができる潜在的な可能性が眠っている」ということです。

ですから「絶対にできない」「本物の英語力がつかない」ということなどありません。

 

 

ではどうして、それらの可能性が眠ったままなのでしょうか?

それは、本当に英語が話せるようにならなくれも殺されないからです。しかし、自分に言い訳ができない状況になったとき、人はその目標を必ず達成します。ですから、英語学習をスタートする前に、自分の目標とする英語力を身につけることは可能だと信じ、「できない言い訳」を全て取り除いくのです。

しかし、私たちは、「不可能だ」「できない」「難しい」といった「言い訳」言葉に慣れすぎていて、一度その様な「私には無理だ」という考えが出来上がってしまうと、そこで思考を止めてしまい、行動へと結びつかないままになってしまいます。ですが、私たちが普段できないと思っていることも、「意外と可能である」ことが多いのです。

高橋選手を育てた小出監督もこのようにコメントしています。

「今から15年くらい前に、だれも日本人の女子選手が2時間20分を切るなんて思っていなかったでしょ。普通の人はそう思うけど、僕は変わっているから「切れないわけがない」「オリンピックも勝てないわけがない」と考えるんだね。俺はそれを証明したかったんだよ。」

 

オリンピックで金メダルを取る難しさに比べたら、本物の英語力をつけることが簡単に思えてきませんか?金メダルは、何万人という選手の中からたった一人ですが、英語に関してはそのような制限などないわけですから。

ほとんどの場合、「英語力がついたらいいな」という願望(WISH)は持っていても、「絶対に映画の英語を字幕なしで見られるようになってやろう」という意志(WILL)を使っていないのです。しかし、それをほんの少し使っただけで、あなたは容易に本物の英語力をつけることができます。そうです、まるでスイッチを入れたように、英語力が伸び出すのです。

つまり、すべての物事は、「今現在英語力がない」という「事実」が問題なのではなく、多くの場合、私たちの「気持ちの問題」だということです。私たちは、簡単に「できない」「無理だ」というようなマイナス思考を持ってしまい、その考え方が、本来できることもできなくしてしまっているだけなのです。

ナポレオンは言いました。

 

「わが辞書に不可能の文字はない!」

 

これは真実です。私の辞書にも、あなたの辞書にも、不可能という文字はないのです。自分で書かない限りは。大切なのは、「何でもできる」「不可能はない」「絶対英語力をつける」という思考回路です。これが英語上達のカギになっていきます。例を挙げて説明しましょう。

質問します。

Q: 床においた、幅30cm、長さ10mの板を渡れるでしょうか?

 酔っ払っていなければ問題ないでしょう。

Q: 高さが10mのところにかけられた同じ10mの板を渡れるでしょうか?

 バランス感覚に自身のある人は問題ないでしょう。

Q: 高さ300mのところにかけられた同じ10mの板を渡れるでしょうか?

 相当な「冒険野郎」でないと無理でしょう。

Q: 高さが同じ300mで板も同じですが、もし10m渡る事ができれば、1億円もらえるという条件付です。この板を渡れるでしょうか?

 先ほどの「冒険野郎」の数は結構増えるのではないでしょうか?

Q: 高さ300mのところにかかった幅30cm、長さ10mの板の先に、あなたの愛する人(子供、恋人、友人など)がいます。しかも、その後ろには殺人犯がいて、あなたが渡ってこなければ、あなたの愛する人を突き落とすと言っています。

あなたは、渡れるでしょうか?渡れないでしょうか?

多分、このコラムを読んでいるほぼ全員の人が、「渡れる」と答えるのではないでしょうか?

同じ板を渡るという行為でも、あなたの気持ちや周りの状況次第で渡れたり、渡れなかったりします。どのような行為でも、あなたの中に「やろう」という強い気持ちさえあれば、実は意外と可能なのです。

私たちは、「忙しい」「時間がない」「お金がない」というように環境によってできることが左右されることもあります。しかし、あなたが自分の愛する人を助けたいというような、「強い決心」があれば、何でもできるのです。

さあ、今、何が何でも本物の英語力をつける不退転の「真の決心」をしましょう。その先には、英語を自由に扱い、活躍している「あなた自身」がいますよ。

 


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成功するために必要な2つのもの

 

成功に必要な「2つ」のもの、それは「紙」と「ペン」です。

なぜあなたの英語学習を成功させるためにこの「紙」と「ペン」が必要なのでしょう?

英語学習をされている多くの方が、自分の目標の英語力を決めることなく、ただ漠然と英語学習をしながら「英語力を伸ばしたい!」と思っていまるからです。

「でも、私は目標800点と決めて、そのスコアが取れるようにとがんばっています。」

と言われるかもしれません。しかし、上の言葉には、非常に大切な言葉が抜けているのです。お分かりになりますか?

答えは「」です。

なかなか本物の英語力がつかない原因の一つ(もちろん間違った勉強方法をしているということも当然ありますが)は、英語力をつけ「よう」としているだけで、英語力をつけ「る」になっていないから、なかなか目標が達成しないのです。他のことを例に挙げてみましょう。

 

「やせよう、やせようと思うけれど、なかなかやせられない。」
   
「タバコをやめよう、やめようとは思うけれど、なかなかやめられない。」
   
「メールを返信しよう、しようとは思うけれど、なかなかできない。」

 

「~しよう」「~したい」という言葉だけでは、いくら「〇〇しよう」という目標を持っていたとしても、成功のための重要な要素である「決心」が抜けているのです。「何が何でも絶対に目標を達成してやる」という決断をするまでは、「その目標を達成しない」という選択肢(可能性)がくっついているため、苦しくなったときに、逃げるようにその残っている選択肢「挫折」に飛びつきやすいのです。

「決断」という漢字を良く見てください。

「決めて断ち切る」と書いてあります。つまり、真の決断とは、何かを決意した後、それを達成しないという可能性を断ち切ることだと言えます。「立てた目標を自分が達成しないなんていうことは有り得ない」というくらいの強い決断があって初めて「本当の決断」をしたことになるのです。

 

 

つまり、

「やせよう」 → 「絶対やせる!」
   
「タバコをやめよう」 → 「絶対タバコをやめる!」
   
  「メールを返信しよう」 → 「何が何でも返信する!」

 

というように、言葉を変えることで「決心」が入り、「決心」が入ると、それは絶対達成すべき明確な目標へと変身します。

もし、この「真の決断」をしたのであれば、その目標が達成されることはその決断をしたときにすでに決まっているようなものです。なぜなら、強く決心したところに計画が生まれ、計画から継続的な行動が生まれるからです。そして、この目標までの継続的な行動があれば、最初に掲げた目標は必ず達成することになります。決断したことを最後まで成し遂げる人にとっては「決断=達成」なのです。

その「決断」が中途半端だと、道半ばにして挫折してしまうことになります。

 

Q: あなたは自信を持って「自分はこの心の決断力を持っている」と言えるでしょうか?

 

この質問に自信を持って「はい」と答えられなかった人も安心してください。あなたが「真の決断力」を持っている自信があろうがなかろうが、あなたの中にも、必ず岩をも貫き通す強い決断力が眠っています。それは使うことでどんどん強くなっていくことでしょう。

話を少し戻すと、「英語力をつけよう」と思っていたことは、あくまでも心の中のことなので、語尾を変える以外にうプラスアルファの作業「決心」を固めてしまう必要があるのです。そのツールが「紙」と「ペン」なのです。

英語学習をする目標は様々なものがあると思いますが、その目標を達成するために、「紙」と「ペン」を使ってやるべき非常に大切なことがあります。それは、

 

「目標の英語力を紙に書き、その英語力を習得している自分をイメージする。」

 

ということなのです。たったそれだけでいいのです。そんなことで英語力がついたら、英会話学校も、英語教材も必要ないと思いますよね。

これを実際にやったことある方はいらっしゃいますか?

まあ、あまりいないと思います。私も最初は目標を紙に書く大切さを信じられませんでした。ところが、私が研究した「挫折」の反対の「成功法則」「成功哲学」に共通する成功者の習慣・考え方の中心にあるのが、この紙に書くことによる「アファメーション」、「イメージング(映像化)」なのです。成功法則の黄金律とは、これです。

 

 

実は、成功している多くの人は同じことをしています。成功する、しないというのも、紙に目標を書くか、書かないか、本当に紙切れ1枚くらいの差しかないのです。

英文雑誌の「TIME」にこのような記事が載っていました。

 

「エール大学の卒業生を20年にわたって追跡調査したが、大変興味深い事実が明らかになった。それは、きちんと紙に目標を書く習慣のあった3%の卒業生が20年間で稼ぎ出した資産は、残り97%の卒業生の総合計資産よりも多かった。」    

目標英語力の書いてある紙、その紙切れ1枚の差が、「英語力が伸びない」といって苦労するか、楽に英語力をつけるかの違いを生み出すのです。驚きですよね。

今や、メジャーリーガーとしても超一流のイチロー選手は、小学校6年生の時に、日記にこう書いたそうです。

 

「僕の夢は一流のプロ野球選手になることです。そして、その球団は中日ドラゴンズか、西武ライオンズです。ドラフト入団で、契約金は、1億円以上が目標です。」    

 

小学校6年生のイチロー君の頭には、将来の自分の姿がありありとイメージでき、その夢を紙に書くことができました。そうしたら紙に書いたこと以上のことが実現しているのです!(アメリカのメジャーリーグを代表するスーパースターになったのですからね。)

なぜ、目標英語力を紙に書き、それを獲得している自分をイメージするとその英語力が習得できるのでしょうか?これは、コラム5で書いた「決心」とも深く結びついています。

目標英語力を紙に書き、その英語力を身につけて喜んでいる自分をイメージするという行為自体には、次の目標を達成するためのカギが含まれているのです。

 

 

という仕組みです。紙に書いてインプットされた目標は、右脳(潜在意識)にとって現実のものとして認識され、その目標と現実のギャップを瞬時に判断し、そのギャップを埋めるために、1千億個の脳細胞ネットワークがスーパーコンピューター以上の処理能力で動き出すのです。

 

脳細胞1千億個って、実はすごいんです。脳に関する本を書いている池谷裕二さんの著書『海馬』にこのように表現されています。

 

 

「一般の新聞の朝刊の文字数が40万個、毎日コツコツと新聞を集めて、1千億字にしようと思ったら、およそ25万日、つまり、約700年分もの朝刊を集めなければならないことになるそうです。それほど多くの神経細胞が我々、一人一人の頭の中で動いているわけです。」

 

その驚異的な数の脳細胞ネットワークに目標が『決心』という形でインプットされると、左脳では理解されないところで、24時間高速で動いている右脳によって、すべての思考がその問題を解決するために動き出すのです。

目標を紙に書いて、それをイメージ情報として右脳にインプットするという行為が、知らず知らずのうちに、自動的に目標の英語力を取るための英語力をつける行動を生み出していくことにつながっていきます。難しそうに聞こえますが、実は、これは普段の生活でも何気なく行っている行為です。

例えば、冬休みにグアム旅行に行こうと決め、予定日を決め、カレンダーにその予定を書き込みます。そうすると、普段何気なく通り過ぎていた旅行代理店の前を通り過ぎた時に、「グアム旅行3泊4日49、800円!」というチラシを発見したりします。

もちろん、グアム旅行のチラシは、いつでもその旅行代理店の前にあったはずですが、「グアム旅行に行こう」という要求を脳に出すまでは、目の前に情報が飛び交っていても、脳はそれをつかまずに、素通りさせてしまっていたのです。

私たちの脳には、絶えず大量の情報が入ってきています。このコラムから目を離し、周りを見回してみてください。目の前のコンピューター、窓、壁、明かり、机、テレビなど、様々なものが私たちの周りにあり、それらの映像情報が脳に飛び込んできます。

コンピューターで映像を処理されている方は分かると思いますが、文字情報ではなく、映像情報というのはとてつもなくデータ容量を使います。ですから、最近になって容量の多いコンピュータが出るまでは、映像情報(動画など)は大きすぎて扱うことができなかったわけです。もちろん、脳が認識しているのは、映像情報だけではなく、音声、におい、肌で感じる感覚にいたるまで、すべてが電気的な信号に変えられて脳に情報が飛び込んできているため、その情報量は想像を超えるものになります。

ですが、目標を紙に書いて、イメージ情報として脳にインプットしていくと、それに関連した情報を、脳は要らない情報として無視することをせず、24時間・365日休むことなく、毎秒1000万ビットの情報処理をしながら答えを見つけるまで探し続けてくれるのです。

脳は、それくらい、とてつもなく優れたスーパー・コンピューターで、この世の中に存在するどのスーパーコンピューターよりも優れています。

 

 

高価なスーパーコンピューターを買うのにいくらかかるでしょうか?100万?1000万?

そんな高価なコンピューターを何台合わせるよりも優れたコンピュータがあなたの頭の中に詰まっているのですから、それを使わない手はありません。

ですから、もし、あなたが自分の脳に対して自分の英語力の目標をインプットした場合、その目標を達成するための適切な答え(方法)が出ないことは不可能です。紙に書いた目標英語力の実現に必要な情報を脳は集め続けてくれます

右脳は、英語力が付くように記憶を調整したり、このコラムを読むためにに右手でマウスを動かしたり、英語力アップに必要な行動を促したり、「この時間はリスニングをしよう」と時間管理をしたりして、無駄な行動をせず直接的、間接的に本物の英語力がつくように自分を自動的にコントロールしてくれるのです。

英語力を上げようとした時に、左脳を使って一つ一つアナログ的に情報を集め、本を読んで実践しようとすると、情報の処理も遅いし疲れてしまいますが、右脳をフルに使えば、簡単、確実に目標英語力に近づいていけるのです。

もちろん、自動的といっても、ただ寝ていれば良いというわけではありません。右脳に従って行動することも必要となります。

上記のグアムの例でも、グアムに行こうと決めただけで、旅行代理店にも行かずただ眠っているだけでは何の情報も入りませんし、仮に情報が入っても、航空券の予約に行くという行動をしなければ飛行機には乗れないのと一緒です。自動的という言葉を勘違いせず、自分で行動することも大切なことです。

私が教えている「英語で考える頭を作る勉強法」も実は、この右脳をフルに活用していくことに重きを置いています。その第1歩として、まずは、あなたの頭には高性能スーパーコンピュータが入っているのだということを認識してください。

まあ、理屈はよく分からなくても、とりあえず「紙」と「ペン」を用意し、このように書いてみましょう。

 

 

そして、書いたものを目のつくところに貼っておいてください。こうすることにより、前回確認したあなたの「決心」がより具体的な形をとって意識され、この目標に向けた行動を生み出す力となっていきます。

書いてみましたか?

まあ、書くか、書かないかは各個人の自由ですが、もし、あなたが今まで目標を紙に書いた事がないために、目標とする英語力を習得できていなかったり、達成できていない目標があるのであれば、一度書いてみてください。英会話学校のようにお金もかからないし。これで、目標英語力が見についたら・・・。ぜひやってみてください。

 


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多くの人が挫折する本当の理由

 

前回のコラムで、各個人の英語の目標を明文化(紙に書く)ことの重要性をかなり突っ込んで書きましたが、このコラムでは、その次につながってくる部分をお話します。


よく成功法則関連の本に書かれているこの「目標を紙に書く」という部分だけ読み、あたかも、紙に書けば魔法のようにそれが実現することを夢見て何もせずに待ってしまう人がいます。ですが、残念ながらそれだけでは、その目標が実現するための大切な要素が欠けてしまっています。


「決断」し、紙に目標を書いたらば、その次にその目標を達成させる行動へと結びつかなくては、その目標が実現しません。では、決断をしたら、何も考えずに目標に向かって突き進めばいいか?というと、物事はそれほど甘くはありません。


決断」「目標を紙に書く」の次に大切なことは、

「目標までの計画を立てる」

 

ということです。必要な英語力を身につけるまでにやることを、月単位、週単位、日単位で計画している人はいるでしょうか。月ごとにやることは決めているという人方でも、毎日何をやるかまで決めている人は少ないのではないでしょうか。

多くの人が挫折してしまう一番の原因は、この「プランニング(計画性)の甘さ」にあると言っててもいいでしょう。

衝動的に買った教材や、たまに耳にするラジオ講座などを、「英語を勉強しなきゃ」とうい思いに駆られて、手にとってやる、というのがよくあるパターンで、何を隠そう私がやっていたことです。「英語をやらなきゃ」と思いたったときだけ、しまってあった英語の本を取り出し数ページ読む。ラジオのFENを録音し、2、3日聞く。そして1週間後・・・「挫折」、というかせっかく始めたその学習をやらなくなっているのです。

がんばろうと思って気合を入れて始めたにもかかわらず、いつの間にかやらなくなっているわけです。

これは英語に限らず、様々なところで起こります。私の場合はダイエットで、全く同じ罠に陥りました。

私は30歳を目の前にしてダイエットもチャレンジし、何度もやせようと思いたつ度に走ったことがありますが、途中で必ず挫折していたのです。それは、自分が理想体重を達成するまでのプロセスをきちんと計算して、しっかりとした計画を立てず、ただ「やせたいな」と思って闇雲に走っていただけだったからです。

同様に、英語もただ漠然と、「英語力をつけたいな」「TOEICスコアアップさせたいな」という目標だけではうまくいきません。

英語力上達が成功するかしないかは、その目標を実現するまでの「計画」にかかっているといっても過言ではありません。正しい英語学習法を元に、目標英語力までのきちんとした計画さえ立てることができれば、後は、ベルトコンベアに乗ったように学習を続けていくだけで目標英語力が習得できます。

 

世界最高峰のエベレストを征服したジョン・ハント卿は、エベレスト登頂の成功にあたってこう言っています。

 

「緻密な計画、固いチームワーク、優れた装備が成功をもたらした。」

 

多くの英語教授、英語教育機関が、英語学習に関して様々なメソッドを研究し、教材開発をしていますが、肝心の「目標達成のための計画」、それも、「緻密な計画を立てること」を教えずに、各学習者にまかせきりになっているため、どんなによい学習方法を使っても、多くの学習者が途中で「挫折」してしまいます。

一大ベストセラーになったノウハウ本「英語は絶対勉強するな!」の著者チョン・チャン・ヨン氏もその著書の中でこう漏らしています。

 

「だが、Kのように第5ステップまで達する例は、残念ながら、きわめて少ないといわざるを得ない。ノウハウを勝手に変えたり、禁止事項を破ったために、挫折する人も多い。」

 

チョン氏のノウハウがシュリーマンの言語習得を研究していることもあり、「英語を勉強せずに体験的に習得する」という氏のノウハウは、私が提唱するノウハウの基礎を教わった故松本亨博士、ボブ西崎氏ともに根っこの部分で共通する部分が多いです。日本人には目新しく聞こえたかもしれませんが、彼は非常に基礎的な(古典的な)正しい方法を説いているのです。

しかし、私が学んできた方法の提唱者の諸先輩も英語力アップの研究自体は素晴らしのですが、「成功法則」に関しては全くといいほど述べられていないので、そのノウハウを使い、英語を学習している多くの人が途中で挫折してしまうのです。

「挫折の仕組み」「成功の法則」を研究してみると、「挫折」するのは、別に、その人の努力が足りないわけでもなければ、才能がないわけでもなく、単純に「計画不足」である場合が多いのです。

考えても見てください。もしあなたが登山家で、エベレストを登ろうと考えたとき、最新装備がある、山の知識があるというだけでただ漠然と登り始めるでしょうか。そんなことをしたら、命を失うか、もしくは途中で挫折し下山することは確実です。

もちろん、登山家も死にたくはないですし、山登りの危険性を分かっているので、必ず山に登る前に「緻密な計画」を立てます。ところが英語学習は失敗しても死なないので、緻密な計画を立てるということをせずに、とりあえず成功している方法があると聞くと、自分もうまくいくと錯覚をしてやってみてしまうのです。

しかしそれは、最高の装備を持ちながら、ただ闇雲にエベレストに登るのと同じで、失敗へとひた走っていることになるのです。 

この言葉を覚えておいてください。

 

 

「計画を立てる」という行為は、すべての成功の元なのです。さあそれでは、今行っているあなたの学習が、行き当たりばったりで挫折する事がないように、次のコラムでは正しい計画の立て方を具体的に伝授していきましょう。


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成功への近道「逆算の哲学」

 

よく小学校のころ、夏休みが始まる前に先生が言ってました。

「夏休みの宿題は計画的にやり、決して8月31日に慌てる事がないようにしましょう。」

 

8月31日、私はきっちり慌てていました。しかも毎年。よくもまあ、懲りずに、小、中、高と毎年同じことを繰り返したものです。小学生のころは、泣きべそかきながら、1か月分の出来事を思い出して絵日記を書いていたことを、今でもはっきりと覚えています。貴方はいかがでしたでしょうか?

「計画を立てよう!」

 

とはよく聞く言葉ですが、具体的にどのように計画を立てたらいいのか、ということを私たちはあまり教わっていません。「計画を立てよう」と言葉で言うのは簡単でも、いざ、実際にやってみようとすると、何をしたら良いのか分からず行き当たりばったりの計画を立ててしまいます。

ビジネスの世界でも、この「計画」という言葉はよく使われます。ビジネスの基本といわれるものに、次の言葉があります。

【PLAN-DO-SEE】

 

それを英語学習に当てはめたらいいのですが、漠然と手に取った教材を「時間のあるときにやる」というのが、ほとんどの英語学習者のしていることではないでしょうか。

前回コラムで説明したとおり、それでは目標の英語力を達成することは難しく、「挫折するかもしれない度」がグーンと急上昇してしまいます。

私の好きな、メジャーリーガーのイチロー選手は日本のプロ野球界に入ったころ、体も硬いし、上背もなく、パワーもあるとは思えないくらいほっそりとした体をしていました。しかし彼は、小さな頃から理想の自分をイメージし、「その理想の体になるためにはどうしたら良いか?」と常に自分に問いかけ、トレーニングを積んできたそうです。

スポーツライターの永谷脩さんは、その著書『野茂とイチロー「夢実現」の方程式』において、イチロー選手のことをこう言っています。

「イチローの素顔を見ると、驚くべき"準備人間"というか、"計画的人間"というのが見えてくるのである。彼は、より高い到達点を求め、正しい努力を積み重ねる。天才イチローは驚くほど準備人間であり、夢の実現に向かって計画を一つ一つ実行してきた。」

イチロー選手はその様にして、理想の自分を明確に持ち、今の自分とのギャップを計算し、それを達成する期限から逆算をして、今なすべきことを見極めたうえで行動しているのです。イチロー選手の成功は、この「逆算の哲学」にあるといっても過言ではないでしょう。

「彼はプロだからできるんだよ。」と人は言うかもしれません。

しかし、本当にそうでしょうか?

 

彼の小学校の頃の写真を見ると、本当にどこにでもいる野球少年です。プロ野球選手になった直後も、とても線が細く、「華奢」といった方が良いくらいの体つきでした。その普通の野球少年が、私のコラムで紹介してきた「決心する」「目標を紙に書く」「計画を立てる」という、成功する人に共通の「成功法則」を使い、現在のメジャーリーガーの風格を持つイチロー選手になっていきました。

貴方にも同じことが絶対にできます。

挫折の連続だった私にもできたのですから、あなたにも必ず同じことができます。

 

これからあなたにお伝えするスーパー・プランニングは、まさにこの「逆算の計画法」です。今の自分の英語力と、目標の英語力とのギャップを埋める作業をするために、すべての言い訳を捨て去り、「できる」と思ってやってみてください。本当にその通りの英語力を身につけている自分を見つけることができるでしょう。

 

アポロ11号を作った会社マクダネル・ダグラス社のウォルター・バーグ氏はこう言っています。

 

「ある一つの大問題も、たくさんの小さな問題の集合体に過ぎない。不可能と思われる問題に取り組むには、それを小さないくつもの問題に分解し、一問ずつ順次解いていくことです。」

 

1969年に、アメリカのアポロ11号が月面に着陸し、人類史上初めて人間が月の上に立つ、という、素晴らしい偉業を成し遂げました。そのアポロ計画の際、ケネディ大統領は、バーグにこう言いました。

「月まで人間を運びたいので、強力なブースターを搭載したロケットが必要なのです。とても不可能だ、という説明は今までにもうたっぷり聞かされてきました。いろいろ問題があるのでしょうが、何とか解決して、この大事業を完成していただきたい。」    

その後、最初の言葉通りバーグ氏は様々な困難を乗り越え、ロケットを開発したことがそれを可能にしたのです。

貴方にとっての大きな目標は、本物の英語力を身につけるということです。その大きな目標を小さな問題に分けて順次解決していけばいいのです。アポロ計画に比べたら、簡単に思えてこないでしょうか?

本物の英語力をつけるために1年間で必要なやるべきことを逆算して、1日にやることを計画していきます。この計画を立てる作業には、多少時間がかかっても結構ですので、じっくり腰をすえて作成してください。この計画の立て方に、あなたの将来の英語力がかかっているといっても過言ではないのですから。

目標期限を定め、目標の英語力と現在の英語力のギャップを確認し、その能力をつけるためのペースを決めます。そして、1日にやるべきことを逆算して導き出します。そして、必要な能力ごとにその計算をし、それを、1ヶ月ごとの小目標ずつカレンダーか手帳に書いていきます。(少し面倒くさいですが、これも目標英語力への一つの階段だと思ってください。)

山登りの例を思い出してみてください。準備もせず、装備も確認しないで頂上のみを目指したら確実に挫折するのです。そうではなく、計画を立てることで毎日の小さなステップを確実にこなしていくことに集中して行くことができ、より少ない努力で目標を達成できるのです。特に英語は、毎日の小さなステップの積み重ねが大きな結果を生み出すことを覚えておいてください。

「人間は誰しも夢を見る。たとえ1回に15センチの歩みでも、やってみれば夢はかなうことがあると確かめられた。それが、僕のこの山登りの最大の成果だ。」    

両足の自由が利かず、両腕だけを支えに、高さ960メートルの絶壁に挑み、見事登頂に成功したマーク・ウェルマン氏の言葉です。

テキサス州出身のウェルマン氏は、1982年、カリフォルニアのヨセミテ公園内にある岩壁を登っている途中墜落し、両足が麻痺するという事故に遭いました。通常であったらその時点でロック・クライマーの道は断念するでしょう。一般的な社会生活を営むことさえ困難な状況に追い込まれたのですから。山への恐怖感、嫌悪感さえ起こって当然だったと思います。

しかし、山に対するウェルマン氏の執念は衰えませんでした。両足の自由こそ回復しませんでしたが、6年もかけて肉体を鍛え、周到な準備も積み重ねました。そして、1989年、山仲間が絶壁に張ったロープを頼りに、再度挑戦したのです。両腕だけで自分の体を引き上げる高さは、1回にわずか15センチ。40度近い暑さが肉体を極限の状況へ追いやりました。時間はあっという間に経過。1日、2日、ようやく9日目15センチずつの歩みが、6400回に達したところで頂上を極めたのです。

この話からも分かるように、1歩1歩の歩みは遅くても、続けていけば、いつか大きな目標は達成できるのです。大切なのは、諦めずに挑戦し続けることです。自分の中に問題を克服する偉大な力が存在していることを認識した時、英語の方が屈服します。

 

 

みなさんも、今やっていることをひとまず止め、長期的な目標から、やるべき必要なことを逆算して、1日にやるべき小さなステップを決めてから、再び英語学習を始めるようにしていってください。

 

下半身不随の登山家マーク・ウェルマン氏は現在トラッキーの山岳コミュニティで生活しながら、彼の会社「No Limits (限界などない)」を運営し、障害を持っている人にアウトドアの装備を販売しています。


また、国中を旅し、多くの人に力強いスピーチをすると同時に、その障害をものともせず、まだ情熱的なスポーツマンとして、スキーやクロスカントリー、カヤックなどもしているそうです。

そして、下半身不随になってから初めて両腕だけで登頂した1989年から10年経った1999年に、その登頂10周年を記念して再びヨセミテ国立公園の岩壁に挑戦しました。

この岩壁は、約1000メートルあり、全身が使える大人でも厳しいのに、下半身の自由がまったく利かず、両腕だけで頂上まで登るのはほぼ不可能に近いことです。しかし彼は、厳しいトレーニングの末に、それを可能にしてしまったのです。

彼は、この挑戦の日にこう言っています。

「私のメッセージは『障害を持っている人がここに来て、エル・キャプテンに登れ』ということではありません。そうではなく、彼らが人生において障害となっているどんな山でも登って欲しい、ということなのです。」

10年前よりもよりもさらにトレーニングをし、より強くなった彼は、前回登った「The Sheer」とは違う、より難しい「The Nose」というルートを取りました。そのルートは、この岩壁にある75~80のルートの中で、最も難しいルートのひとつだったのです。

10年前と同様に、両足の自由が利かない彼が1回に登れる高さはわずかに15センチ、それを7000から8000回繰り返し、1週間かけて頂上まで登る予定でした。

しかし、10日分の食料と装備で100キロ近くあった装備の重さとルートの難しさ、また登頂前から引きずっていた病気などとの闘いもあり、そのペースは崩れ、10日たったところでその食料と水は底をつきかけてしまいました。ですが、1日の食料を減らし、何とか空になる直前の11日目でやっと登頂に成功したのです。

毎晩彼は、その途中経過を彼のフィアンセに携帯電話でしていたそうですが、疲れてはいても決して明るさを失うことはなく、ジョークを言い、笑い合っていたというから驚きです。

下半身不随という人生に影を落としかねない事故に遭っても、決して下を向かず、上へ上へと登ってきた彼には、きっとその大変なクライミングのプロセスですら楽しむことができたのでしょう。

11日間かけてその難しい岩壁の登頂に成功した彼らは、帰りは別のルートでラバの背に乗って降りてきたそうです。

彼の、多くの人々を勇気付けるためのあくなき挑戦と、その何物にも屈しない強いハートに、人の無限の可能性を見る気がします。

私たちの人生や英語学習に立ちはだかる岩壁を、彼の不屈の精神を見習って、登ってやろうじゃないですか!


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ナマケモノが成功するための究極の方法

 

数回にわたり、「決心」「目標を紙に書く」「計画の大切さ」などをお伝えしてきたので、コラムを読まれた多くの方が、やる気に燃え、本物の英語を身につける正しい英語学習方法を実践したくてうずうずしているのではないでしょうか?

今回の内容は、それだけ燃えているあなたの気持ちに、もしかしたら水をさしてしまうかもしれないというリスクを負っても、ぜひ知っておいていただきたい大切なことをお伝えします。

それは、「英語学習に燃えているときの落とし穴」です。

英語学習を実際に始める前に、多くの人は挫折につながる大きな勘違いをします。その勘違いとは、「自分は英語力をつけたい」という思い(やる気)があるということと「英語学習が長く続く」ということがイコールであると考えてしまうことです。

 

「本物の英語力をつける」ということは、少なくとも現状の英語力を上に引き上げていくということですから、それなりにエネルギーを要します。ですから、まず、自分で「心から手放しで喜んで英語の学習をしたいのではない」ということを認識するべきなのです。

英語学習者の中には、英語を学習するのが楽しくて、「英語を学習していないと落ち着かない」なんていう素敵な方もいますが、ある程度の英語力をつけた場合を除き、ほとんどの場合、聞いても分からない、読んでも分からない英語に触れていることをそんなに手放しで楽しめないものです。(私も英語できない歴が長かったので、その辛さはよく分かります。)

この事実を無視して、「英語をやらなくちゃ」という焦り、もしくは気合につられて成功までの道筋を立てず、目の前の学習・教材を使って「辛く苦しい英語の勉強」を無理やり頑張ってしようとすると、挫折する可能性が高いまま学習を進めてしまうことになります。

多くの学習者が、学習をする前に将来において挫折をしないための対策を立てていないのです。

こういう言葉があります。

「愚者は自分もできると思う。賢者はバカでもできることをやる。」

私を含め、皆人間なわけですから、当然学習を続けていくとアップ・ダウンがあります。ダウンが来ることを予め想定し、自分の弱さを計算に入れた上で、やる気がなくなったとしても挫折しない計画を立てれば学習は絶対うまくいきます。それは、言い換えると、

「ナマケモノでも挫折しないような計画を作れば、誰も挫折しない。」

ということです。

私も以前ダイエットをしたとき、計画も立てず、思い立ったが吉日とばかりに初日から全力で30分走り、いきなり食べる量を減らしてしまったことがあります。その時は挫折の連続で、1週間持てば良い方で、大抵は「雨が降った」「今日は忙しかった」などの言い訳をつけていつのまにかやらなくなりました。

それほどやる気と努力がなかったとしても、最後まで続く計画をあらかじめ作り、電車がレールの上をスムーズに走っていくように道を引いてあげることができれば、少なくとも、「がんばって英語力をつけよう」と思っている人は、確実にそのプランを遂行していくことができるはずです。

最初から人間本来持っている「怠け癖」「怠惰」というものを計算に入れて計画を立てましょう、ということです。

では、どんな怠け者でも成功してしまう計画というものは、具体的にどのようなものでしょうか?

 

 

それは、簡単で楽しい計画のことです。簡単で楽しければ誰でも成功します。多くの人は、辛く難しいことをしようとするから抵抗が生まれ、知らず知らずのうちに挫折の道へと進んでしまうのです。

確かに多くの場合、英語の学習は辛く難しいところに位置づけられます。そこで、絶対に挫折しない計画を立てる場合、その辛く難しいことを、楽しく簡単なことにしていくことを考えるのです。ですが、その時に大切なことは、いきなり楽しく簡単にするのではなく、2ステップ、つまり一旦毎日の英語の学習を簡単なものにしてから、楽しいものにすることを考えるのです。

 

 

まず、英語の学習を難しいものではなく、簡単にします。例としては、「5分だけ子供の英英辞書で練習」とか、「英語を15分だけ聞く」という具合です。疲れていてもできる、やる気がなくてもそれくらいはいけるのではないか、という簡単な部分から始めるのです。

ダイエットでも、「いきなり1時間走って、1食減らして2食にする」というようなプランでは挫折してしまいますが、「5分散歩、夕食だけ腹8分目」などというように、楽にできるようにしたらいいのです。

学習を楽なものにした後は、それを楽しいものに変えていきます。例えば、それができたら自分にご褒美(Reward:リワード)を上げるといったご褒美制度などが効果があります。計画通りに実行できたときに、自分にご褒美を上げるのです。

そのご褒美とは、例えば好きなテレビを観ることでもいいですし、おいしいアイスを食べるといったことでもかまいません。達成した自分に対して、何か自分の喜ぶ、楽しいことをするのです。そうすると、頭の中で、次の図式が出来上がります。

 

 

次第にこれが、

 

 

に変わってくるのです。このように脳をパブロフの犬のような状態にしていきます。<参考図書:「非常識な成功法則」神田昌典著 >

また、英語以外でも、何かをするときに楽しくないことってたくさんありますよね。例えば、マラソンランナーの練習。走ることは苦しいし、素人から見たら、大変で、「何でやるの?」と言いたくなってしまうことですよね。でも高橋尚子選手は「走ることは楽しい」というわけです。肉体的、精神的にきついことでも楽しさを見るけることは可能です。しかし、そのためには、やっていることだけに目を向けていては難しいでしょう。もっと大きな目で見るのです。

英語の学習自体は単調で、時として「つまらない」ものになりがちです。ですが、その先にあるもの、つまり、英語を使ってコミュニケーションしている「かっこいい自分」、映画を字幕なしで聞き、時差がなく笑える(字幕が出てから遅れて笑うのではなく)「かっこいい自分」を想像しながら、それに向けて英語の練習をしていくのです。

それと、英語だけを見ていると辛いですが、英語の中身を楽しいもの自分の興味のあるものにしていくと辛さも軽減され、楽しくなります。私は、NBAやMLBなどアメリカのスポーツが好きなのですが、それらのテレビを見るだけで英語学習の大変さを忘れて楽しめます。

英語学習は山登りと似ています。目の前の一歩はゴツゴツしていて見渡しても見晴らしは良くありません。ですが、ある地点まで頑張って登ると、少し良い景色を楽しめます。また、山頂に上った自分を想像して、今の一歩を楽しんでいくこともできるのではないでしょうか?

大切なのは、自分自身が最短距離で英語力をつけるための、世界一簡単な方法を作り出すことです。人間楽しいことなら続きます。続けようと思わなくても続けられるようにするのがスーパー・プランニングのポイントです

ほとんどの人が「私は英語をマスターするやる気がある」という、「やる気に頼った間違った前提」で英語学習をスタートさせています。もちろん、最初はみんなやる気があり、何らかしらの教材を買ったり、英語学校に行くのですが、そのために、「ずっとやる気がなければ続かない」方法を取ってしまうのです。

そうではなく、やる気がなくても続く方法を最初から考えておけば、自分に無理やりやる気を出させる必要はなくなります。また、仮に途中でやる気が無くなってしまっても、後は、レールの上を電車が走って目的地につくように英語力をつけることができるのです。

 

本屋さんやインターネットで「これさえ聞けば英語がペラペラ」といううたい文句に踊らされ、その場で買ってみても、計画性がなくては続きません。それでは意味がないのです。まずは挫折しない計画を立てましょう。

そして、計画に従って少しずつ続けていくことが、自分に対する「小さな成功の積み重ね」となり、「自分はできる」という自信につながっていきます。

小さな成功を積み重ねていくと、途中でやめることが無性にムダなこと(今までの積み重ねを壊すこと)に思えてくるので、途中でやめようということすら考えなくなるのです。そうしたら、後は本物の英語力がつくまでそれを続けていくだけです。

それほど辛くはない学習を行い、それを楽しいものに変え、習慣化のところまでは必ず続くようにプランニングして行きましょう。英語学習が習慣になってしまったら、お風呂に入る、歯を磨いたりするのと同様に、頑張らなくても惰性で続けられることでしょう。

計画を立てるときの重要な法則、お分かりいただけましたでしょうか?

 


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魚の釣り方を覚えよう

 

英語学習の黄金律(ゴールデンルール)の最後は、この話で締めくくりたいと思います。

 

あるところに、漁師になりたい男、太郎君がいました。彼は、全財産を使い、立派な船を買い、漁に必要な道具を全てそろえ、意気揚々と海に漕ぎ出しました。

ところがこの太郎君、漁に必要なものは全てそろえたのはいいのですが、肝心の漁の仕方を知らなかったのです。そこで、どうしたものかと考えては見るものの良い方法が浮かびません。

ふと、隣の船を見ると、ガンガン魚を獲っているではないですか。その漁師を見て、太郎君はこうつぶやきました。

「すげーなー、あんなに魚が取れたら楽しいだろうなー」

その時、太郎君の頭に良い考えが浮かびました。

「そうだ、あんなにたくさん魚を獲っているんだったら、後で少し分けてもらおう!」

考えが決まると後は安心、とばかりに船の上でのんびり過ごした後、隣の船が港に戻るのと同時に港に戻り、その船の漁師から魚を買いました。

来る日も、来る日も海に繰り出すのですが、やることは一緒、ガンガン魚を獲っている船を見つけては、つぶやくのです。

「すげーなー、あんなに魚が取れたら楽しいだろうなー・・・」

「さて、この太郎君、いつになったら立派な漁師になるのでしょうか?」

【一生なれないよ!】

 

なんて声が聞こえてきそうですが、まさにその通りです。このままでは、太郎君は一生、立派な漁師にはなれず、たくさん魚を獲る漁師を儲けさせて終わるでしょう。(自分で魚の獲り方を覚えるまでは・・・)

聞こえましたか?

 

 

そうなのです。自分で魚の獲り方を覚えれば、全て解決するのです!

 

道具は全てそろっているわけですから。ガンガン魚を獲っている漁師から魚を買うのではなく、同じお金でどのようにすれば同じようにガンガン魚が取れる立派な漁師になれるか、そのノウハウを学べばよかったのです。そうすれば、もう魚を買うためにお金を使う必要はないどころか、自分で獲った魚でお金を儲けることができるようになるのです。

なぜこのような話が、英語学習の黄金律(ゴールデンルール)と関係があるのでしょうか?

鋭い貴方は、もうお気づきだと思います。

漁師になりたがっていた太郎君とは、実は、「日本の多くの英語学習者の姿」なのです。英語学習者の多くは、自分でどのように英語力を伸ばしていけばいいのか、というノウハウを学ばずに、英語力のある人の書いた本を読んではいるのですが、自分から決意して英語力のつけ方を学ぼうとしないのです。

もちろん、そのような英語力をつけた人が書いた英語の知識本、表現集などが悪いわけではありません(誤解しないで下さいね)。そうではなく、その利用の仕方が受身で、

「この表現は~だ。」

「こんなときはこう言う。」

という「知識」を身につけるだけです。そのときは、頭で「なるほど」と思っては見ても、実際にそれで終わってしまう場合が多いのです。

 

英会話学校でもそうです。実際に使われているテキストを見てみると、自分で覚えて練習できる表現であふれかえっています。それをいくらネイティブ講師に教えてもらったとしても、それでは太郎君です。何時まで経っても立派な漁師にはなれません。自分から進んで魚を獲るノウハウを学び、立派な漁師になりましょう。

 

英語は知識をつける「勉強」ではなく、能力を身につける「実技」です。そういう意味では、スポーツや、ピアノ、習字など、他の習い事に似ています。そのような習い事は、自分がやらないと伸びないことは一目瞭然ですね。

あの高橋尚子選手はマラソンを極めましたが、小出監督が「練習しろ!」とおしりを叩いたことはなく、いつも、「走るな!」と言ってたそうです。でも、高橋選手は走ることをやめないで、「あと5キロ」とか、積極的にトレーニングを積んでいくのです。世界新記録を出し、金メダルを取ったのもうなずけます。

これは私の持論ですが、こう思っています。

【英語は独学でないと、身につかない!】    

自分で何とか英語力をつけようと思わない限り、本物の英語力はつきません。今現在活躍されている英語の達人や、英語力のある人のほとんどは、英会話学校に行った事がない、留学した事がないという方々です。私も、英会話学校に行かず、日本にいながら5年間独学で英語を身につけました。

今、自分にこう宣言してしまいましょう。

【私は、独学で英語を身につける!】    

言ってみましたか?

このサイトでは、様々な英語学習に関するヒントを学ぶことができますが、それらを読んでと頭だけで納得するのではなく、自分でやってみてください。そうしないとこれらの記事を読む意味は余りありません。時間の無駄になってしまうことでしょう。

私がなぜ、このようなサイトを作り、あなたに本物の英語力をつけるノウハウを公開しているかというと、「私自身が、英語ができなくて、めちゃくちゃ苦労した」からです。

高校2年生の英語のクラスで、週1回だけネイティブ講師の授業があったのですが、そのクラスでそのネイティブ講師に指され、こう質問されたのです。

「Where do you live?」

その瞬間、私の頭の中は真っ白、質問の意味は分かり、日本語では答えも出ているのですが、

「・・・えっと・・・あっと・・・その・・・」

「I live in Tokyo.」そんな簡単な中学一年生の英語すら口から出てこなかったのです。そのときの悔しさ、恥ずかしさは今でも忘れません。

そして、その悔しさをバネに、英語に関する様々なノウハウを研究してきました。その結果、全くの独学だったので、非常に効率の悪いこともし、遠回りもしましたが、凡人が本物の英語力をつける方法が分かったのです。

私ができたのだから他の人もできる、でも学校英語の頭のままでは一生かかっても本物英語力はつかない。私と同様に、英語力をつけたいがその方法が分からなくて苦しんでいる人の力になりたいと思い、英語講師になり、そして独立し、このコラムを書いているのです。

このサイトを通して、あなたが私の持っているノウハウを学び、英語力をつけてもらえれば、それが私の喜びです。自分でがんばれるという方は、どんどん積極的に私のアドバイスを利用し、英語力をガンガン上げていってください。それ以外に、目標管理、プランニング、プログラム、教材などに関して私のコンサルティングを受けたいという方は、こちらからお申し込みください。きっと貴方の数年の学習時間を節約し、挫折しない、効率の高い英語学習をすることができることをお約束します。

 

けんじ先生から英語習得のノウハウを学びたい方はこちらをクリックください。

 

今回のコラムの主題、「魚の釣り方を覚えろ!」言い換えると、「自分で英語力をつけるノウハウを身につけなさい!」ということですが、お分かりいただけたでしょうか?


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